協会で研究・開発している地下貯水工法とは、地下に貯水する空間をシートと滞水材で構築する「空間貯留」工法で、土地利用と経済性を勘案すると、最も優れた工法と言えます。
工法を検討する際、貯水の目的とそれに合致する貯水方法を検討しなければなりません。土地の形状・上部利用・環境・経済性・維持管理・施工性など多くの条件を考慮し、適切な工法を選択する必要があります。
貯水の目的
貯水の目的は、治水対策の一つである洪水調整池が最も多くなっています。
洪水貯水池とは平常時は空の状態ですが、降雨があると一時的に貯水し洪水を防止するための池(空間)のことです。この池には小さな穴(オリフィス)が開いていて下流に少しずつ水を流すようになっています。
調整池の周りは、透水シートで覆えば浸透型になて地下水の涵養にも寄与します。
また遮水シートで覆うと貯留型になります。
もうひとつの目的は、水を利用するための貯水です。
たとえば、雨水を貯めてトイレの洗浄水や植木の散水用水として使えば、水道料金を節約することが出来ます。
その他、消雪用水や防火用水を貯めることができます。
流出抑制(洪水調整)

雨水利用

グラウンド/消雪用水
災害対策

貯水方法
貯水方法には大きく分けて、地下貯留とオープン貯留とがあります。単純比較できるものではありませんが、主には土地利用と経済性が重視されて方法が決められています。
地下貯留

空隙貯留 – 砕石(空隙率40%以下)/プラスチック(空隙率90%以上)
オープン貯留

維持管理
一般的に、滞水材構造物の内部には土砂・ゴミ等が流入すると除去することが困難となりますので、下記の対策を設けることをお薦めします。